Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident


Draft document: Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident
Submitted by Teruko Nishida, Hakaru Wakaru Hiroba (Radiation Measuring Volunteers' Group)
Commenting as an individual

 ICRPの新勧告案では、大規模な原発事故の直後の緊急時対応の放射線レベルと復旧過程のそれを分け、次のように勧告している。「復旧過程での容認できる放射線レベルを1~20mSvのバンドの範囲内またはそれ以下から選ぶべきである。・・(中略)・・またそのレベルは年間10mSvを超える必要は一般的にはない」と。 たとえ、「防護の最適化の目標は年1mSv程度のレベルになるよう徐々に低減すべき」と掲げても明確な期限は付けておらず、この年10mSvを一旦、基準に置けば、復旧過程ではこのレベルでよいとの目安を与えるであろう。

 福島事故後、日本政府が年20mSvを許容したため、甲状腺がんの多発、そのほかの疾病の多発を引き起こした。とりわけ子供たちが長く滞在・生活する学校にまでこの基準が適用され、子供たちの将来の病気が懸念される。通常の年1mSvの20倍、放射線管理区域の4倍を子供たちに押し付けた影響は今後深刻な結果として表れると思われる。さらに、年20mSvの地域での子どもの被ばくを心配した親たちは自主避難を余儀なくされ、政府からの援助を受けることができなかった。この親子たちは経済的にも精神的にも大変な苦労を強いられている。

 「放射線量にしきい値はなく、線量が増大すればするほど人間への生理的な影響は大きい」とのICRPの見解に同意する。ならば、子どもたちの健やかな成長のために、大事故後の復旧過程においても、年1mSvを新勧告案の基準目標とすべきであると考える。そのことによって、多くの人は被ばくを免れ(1mSv以上の地域は住むことが不可となるので)、住めなくなったことに対しては国家、または責任のある企業がが保障することになる。現在の日本では被害者の住民が「自己責任」と言う摩訶不思議な言葉により、本来ならば責任を取る必要がない被害者であるにもかかわらず経済的にも、精神面でも大きな負担を強いられ、悲惨な生活を強いられて自殺などに追い込まれている。

ぜひ、復旧過程でも年10mSvでなく、年1mSvを堅持すべきと考える。


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