Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident


Draft document: Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident
Submitted by harada hirofumi, Metropolitan Coalition Against Nukes
Commenting as an individual

過去の事例は、チェルノブイリ、福島のみでなく、Publ 111にあった、ビキニやゴイアニア等、様々な様式の「事故」も含めた方が、事故後の対処の集大成となり、有益であると思います。

 

福島第一原発事故後の日本政府の措置は年20mSvをリファレンスとして避難指示をするものであり、新しい勧告とは反するものであり、もう少し評価的なコメントがあると良いと思いました。仮に日本国が年20mSvをリファレンスとしなかったとしたら、新しい勧告の上限は10mSvになったでしょうか。

基準となる数字があるとして、できるだけ緩めにしようという行政組織も世の中にはあるもので、1〜20mSvと示しながら「下の方」を期待するのは楽観的にすぎるので、新しい勧告が10mSvという数字にしたことは歓迎します。

 

ICRPの勧告は世界中で読まれるものですから、基盤となっている倫理学的な側面への簡単なリファレンスがあると良いと思います。西洋を中心に発達した現代的な倫理学を十分共有できていない土地も多いでしょう。福島第一原発事故の起きた日本国もその一つです。福島第一原発事故以降、ICRPの流儀の放射線防護の説明をするのに苦労したのは「正当化」の部分でした。危険/安全の2分割の結論を求める人も多いので、もう少し強調しておいた方が良いと思います。

 

福島第一原発事故の経験から言えば、事故後の対処は、かつての標語であった as low as practicable を掲げた方が良いかと思います。そうでないと、弱いものの権利を守る力が足りません。

日常であるならば、As low as reasonably achievableで良いとしても、事故により線量が上がってしまっているのですから、平常時程度に下がるまでは、As low as practicableで順当です。以前はICRPの標語でしたし、事故時には以前の精神でお願いしたいと思います。


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