Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident


Draft document: Radiological Protection of People and the Environment in the Event of a Large Nuclear Accident
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要点、総括的要約、結論についてのコメントをする。

 

1.要点の第3項目に「一般的に100 mSvを超えるべきではない」と書いているが、これは累積か年間か不明である。年間であれば、この1年だけでがんで死亡する確率が0.5%増えるので、許されない。同じく第4項目の1-20mSvも同様これが年間であれば許されない。ごまかしたような表記は避けるべきだ。

 

2.そもそも、他の条件との兼ね合いで被曝限度を高くするということは認めるべきではない。基本的に生涯累積被曝レベルとして、がんで死亡する確率が0.5%上がるのが100 mSvがあり、100歳まで生きるとして年1mSvを超えてはいけないレベルであるとしている。他の条件で超えてもよいとするのは、その個人がその後年の被曝線量も勘案して自分で判断して決める権利に属するものである。基本的には年1mSvを超えてはいけないとしておくべきだ。

 

3.他の条件との兼ね合いなどという理由で根拠もなく被曝限度を高く設定すれば、そのレベルまで許されるという間違った考え方を押し付けることになるので、総括的要約(g)にあるような参考レベルのようなものは設定すべきでない。結論にある(225)も同じことで最適なものを選ぶのは個人の権利であり、押し付けるべきものではない。

 

4.このようなことからして、チェルノブイリ法は理解できる。年間1mSv以上5mSv以下なら移住の権利があり、年間5mSv以上は強制避難ということが決められているので、多少被曝してもよいなどということは個人の決めることとしている。このような基準にすべきである。

 

5.総括的要約(h)では、復旧過程の管理に直接従事する人々に「対応者〈レスポンダー〉」という語句を設定しているが、一般の人が入ってはいけない高線量部分に従事する人というのは、せめもの見返りとして収入を得るから許されるのである。したがって、そのような人とボランティア市民を一緒に考えてはいけない。対応者にボランティア市民を含め一般の人を被曝させるべきではない。

 

6.現在日本では、福島の年間20mSvの地域に住民を帰還させている。2011年3月まで絶対安全という作られた神話のもと原発を運転していたが、原発事故を起こした後は避難の費用を支払うことを渋り、何の責任もない住民の避難の自由も奪っている。年間20mSvで帰還させた場合、5年間そこにいると100 mSvになってしまい、がんで死亡する確率が0.5%上がってしまう。住民はそのような理不尽な状況に追い込まれている。ICRPの基準は防護基準でなくてはならないにもかかわらず、そのように理不尽な被曝を強要する基準になってしまう。年間1-20 mSvの基準こそ理不尽にも20 mSvにお墨付きを与えることになるので、明確に年間1mSvを基準にすべきである。


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